密度の重要性
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買おうか迷っている高反発マットレスが既にある方は、まずはそのマットレスのウレタンの「密度」に注目してみましょう。密度表記がない場合は、サイズと重量からおおよその密度を割り出しましょう。密度も重量も表記がない場合は、買うに値しないマットレスと断定できます。商品説明でいかに優れているかを語っていようが、高反発マットレスの性能の大部分を占める密度に関する記載がないのであれば、ユーザーを騙しにかかっている詐欺マットレスとみて間違いないでしょう。
密度が何なのかを簡単に説明すると、例えばシングルサイズのウレタン芯材を形成するのにどれくらいの量の材料をつぎ込んでいるのかということに他なりません。材料が少なければ密度の数値は低くなり、すかすかの食器洗い用スポンジと変わらないマットレスで寝る羽目になるのです。密度の数値によってどのようなマットレスになるのかを下記ので説明します。前提としてはサイズをシングル、厚さを8cm~10cmくらいと仮定した場合の価格と私の個人的な感想です。
密度15-19D(kg/m3) |
5,000円以下で売られているような安価な高反発マットレスは低い密度のウレタンしか採用できません。なぜなら密度を高く保つには材料費の高騰という問題に直面するからです。しかし、このレベルの密度を商品説明に書くような愚かな販売会社もないでしょう。大抵は密度以外の部分、例えば「ウレタンに特殊な加工を施し、体圧分散性能に優れている」とか、「反発力200Nもあるのにこの低価格」などのように、およそ高反発マットレスの根本的な性能には触れず上辺だけの説明を繰り返すケースが多いです。この低密度のマットレスでは1ヶ月も経たずすぐに形状変化(ヘタり)することもあります。最悪な商品だと圧縮されたパッケージから開封しても形状が歪んだままの商品もあります。ベッドマットレスに寝ている間のわずか数十分でさえ、人間の身体を支え上げることができず人によっては腰が痛くなります。このレベルのマットレスは高反発マットレスと呼んではいけません。
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市場相場:5,000円以下 |
密度20-28D |
市場に最も溢れている高反発マットレスの密度がこれくらいです。耐久性はそこそこありますが、寝ている間の数時間で人間の身体が沈み込んでいき、一番深く眠っているであろう深夜2時3時に腰が痛くて目が覚めるという最悪な現象が起きることもあります。このレベルの高反発マットレスの耐用年数は3ヵ月は持ちますが1年と経たずにヘタれるでしょう。28Dと30Dではそんなに数値が変わらないじゃん、とお思いかもしれませんが28Dと30Dの間には超えることのできない大きな壁があります。日本人の平均体重は男性で 64.0kg,女性では 52.7kg です。50kgの人間を長時間に渡って体圧分散し、また長期間の使用でも耐えうる耐久性が発揮されるのは密度30Dからなのです。もちろん例えば40kg前半台とかの極端に体重の軽い方にとってはこの程度の密度でも使用に耐えうることもあるかもしれません。 |
市場相場:5,000~15,000円 |
密度30D以上 |
高反発マットレスと呼べる耐久性を兼ね備え、朝までしっかりと全身を支え上げることができる密度が30Dという基準になります。前述したように27Dとか28Dでも大丈夫でしょ?と思われがちですが、使い続ければ必ず密度30Dという答えに至ります。大体シングルサイズで厚みが10cmであれば商品としての重量は6キロ中盤から7キロ中盤になります(マットレスの作りや側地の種類によっての差)。ローテーションや側地の破損に気を付ければ最低でも5年は使えるとみてよいでしょう。私が勧める高反発マットレスは最低でもこの密度からです。密度30D以下の高反発マットレスは買うに値しないのです。
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市場相場:15,000~90,000円 |
ここで重要なのは「密度」=「硬さ(反発力)」ではないこと。密度はあくまでもウレタン自体の値段と耐久性に関わること。「密度」を上げると「値段」と「耐久性」が上がるんですが、「硬さ(反発力)」の数値が高くても寝心地が変わるだけで「値段」も「耐久性」もあまり変わりません。
そして最近は、密度を上げるためにウレタン発泡の際、混ぜ物をして底上げする業者もいます。タチが悪いですが、そういう商品は必ずウレタンの質に現れます。密度の割にすぐにヘタったり、難しいですがウレタン特有の匂いとは別の匂いがしたり。他の人のレビューをよく確認することをお勧めします。